はじめに
オンライン教育では、講義動画は静的なスライドよりも視覚的で分かりやすく、学習への没入感を高める手段です。しかし、すべての講師が自分の声に自信を持っているわけではなく、また、プロ仕様の録音機材を用意できるとは限りません。
そこで有効なのが AI音声ナレーション(AI Voice-Over) です。スタジオや高価なマイクは不要で、手軽・高品質・スピーディーに音声を作成できます。
本記事では、AIナレーションの作成方法から、講義への音声追加、Ourdemyへの公開方法までを、デスクトップ・ノートPC・タブレットで実践できる形で解説します。
1. AI音声ナレーション(AI Voice-Over)とは
AI音声ナレーションとは、テキストを自然な音声に変換する技術です。あらかじめ用意した原稿から、スピード・抑揚・強調を調整しながら、プロ品質の音声ファイルを作成できます。
AI音声ナレーションの主なメリット:
- 安定したクリアな音声 体調や録音環境に左右されません。
- 学習への集中力向上 高品質な音声は理解度と没入感を高めます。
- 更新が簡単 テキストを修正するだけで、即座に再生成可能。
- 時間短縮 多数のレッスンや長編講座でも効率的。
その結果、AI音声ナレーションは、講義をプロフェッショナルで分かりやすくしながら、制作時間と労力を大幅に削減できます。
2. ナレーション作成におすすめのAIツール
2.1 ElevenLabs
メリット:
- 人間に非常に近い自然な音声
- 多言語対応:ベトナム語、英語、日本語、韓国語など
- 自分の声をクローンしてブランディング可能
- スピード・抑揚・強調の細かな調整が可能
- 長時間講義やeラーニング向け
デメリット:
- 高度な機能には登録・有料プランが必要
- 初心者には操作がやや複雑に感じる場合あり
おすすめケース:自然さと個性を重視したナレーションを作成したい場合。
2.2 Google Cloud TTS / Azure TTS
メリット:
- 高品質で安定した音声
- 男女・多言語の音声バリエーション
- 速度・ピッチ・抑揚の調整が可能
- 文字数課金制で長期プロジェクト向き
- 大規模コースや複数動画に最適
デメリット:
- 基本的な技術知識が必要
- ElevenLabsほどの音声パーソナライズ性はない
おすすめケース:一定品質の音声を大量に制作したい場合。
2.3 Canva + AI音声
メリット:
- 初心者でも使いやすいUI
- 複数の内蔵音声+基本的な調整機能
- スライド・動画と直接連携でき、時短
- 短い動画・チュートリアル・音声付きスライドに最適
デメリット:
- 音声の自然さ・個性はやや限定的
- 短くシンプルなコンテンツ向き
おすすめケース:短時間で簡単にナレーションを付けたい場合。
2.4 HeyGen / Synthesia
メリット:
- AIアバター付き動画を一括生成
- 自分を撮影せずに「講師」を画面に表示可能
- 多言語・男女音声・強調表現に対応
- 大量動画制作に効率的
デメリット:
- 高度な機能はコストが高め
- 長編では表情がやや不自然に感じる場合あり
おすすめケース:自分を撮影せず、講師が映る講義動画を作りたい場合。
3. AIナレーション作成からOurdemy公開までの手順
Step 1:ナレーション原稿を準備する
AI音声を生成する前に、詳細な原稿(スクリプト)を作成します。
- スライドやレッスン単位で分割
- 1文10〜15語、1〜2文/セグメントが理想
- 句読点を正しく使い、自然な間を作る
- 強調やポーズが必要な箇所はメモを追加
💡 ポイント:先に講義の流れを整理すると、修正回数を減らせます。
Step 2:AI音声を生成する
原稿が完成したら、AI音声を作成します。
手順:
- 原稿をAIツールに貼り付け
- 講義スタイルに合う音声(男女)を選択
- 話速を調整(目安:0.9〜1.1)
- 試聴してリズムと間を確認
- MP3またはWAVで書き出し
💡 ポイント:原稿を見ながら音声を確認すると調整しやすくなります。
Step 3:スライド・映像素材を準備する
音声に合わせて、視覚素材(スライド・動画)を準備します。
- 使用ツール:PowerPoint、Canva、CapCut など
- レイアウト原則:
- 文字は最小限、視覚重視
- 短い箇条書きとキーワード強調
- 色・フォントを統一
- フォントサイズは20〜24pt以上
- CanvaやCapCutで事前にタイミング確認が可能
💡 ポイント:音声のリズムとスライド遷移を合わせましょう。
Step 4:講義にナレーションを追加する
スライドや動画、AI音声が揃ったら、それらを組み合わせます:
🔹 PowerPointの場合
- 挿入 → オーディオ → このデバイス
- 自動再生に設定
- スライドの表示時間を調整
🔹 Canvaの場合
- 音声ファイルをアップロード
- タイムラインに配置
- スライド時間を音声に合わせる
🔹 CapCutの場合
- オーディオ追加で音声を挿入
- 各シーンと音声を同期
- MP4形式で書き出し
💡 ポイント:必ず全体を通して再生確認してください。
Step 5:Ourdemyにアップロード
動画が完成したら、Ourdemyにコースを公開します:
- 動画を書き出し
- MP4 / 1080p
- 音量・遷移・テンポを確認
- 3〜10分単位に分割すると視聴しやすい
- Ourdemyにアップロード
- コース→ カリキュラム → 動画追加
- 説明文、PDF、課題、クイズを追加
- チャプター/モジュールを整理
- 参考: https://ourdemy.com/how-do-i-add-a-video-lecture-to-a-section/
- 公開する
Ourdemyの利点:
- ドラッグ&ドロップで簡単操作
- 全デバイス対応
- 動画の更新・差し替えが容易
4. AI音声を自然に聞かせるコツ
🔹 スクリプトを小さなセグメントに分ける
- 1〜2文ごとのセグメントにすると、滑らかな読み上げが可能です。
- 長い連続の段落は避け、急いでいる印象を与えないようにします。
🔹 句読点を効果的に使う
- カンマ(,):短い一時停止
- ピリオド(.):軽い停止、アイデアの区切り
- ダッシュ(–):重要ポイントの強調
- AIがより自然で人間らしい音声になるのに役立ちます。
🔹 読み上げ速度を調整する
- 理想的な範囲:デフォルト速度の0.9〜1.1倍
- 技術的な内容や長いレッスンでは、やや遅めの速度が適しています。
🔹 軽いBGMを追加する
- インストゥルメンタルの背景音楽で、音声に生き生きとした印象をプラス
- ナレーションを圧倒しないよう、音量は控えめに
まとめ
AIナレーションは、オンライン講義を制作する教育者やコンテンツクリエイターにとって強力なツールとなっています。この技術を使うことで、以下のことが可能になります:
- 録音なしで迅速に講義作成
- 安定した音質
- 修正・更新が容易
- スライドや動画と高精度で同期
- 機材・スタジオ不要でコスト削減
最も重要なのは、ラップトップ、タブレット、またはスマートフォンのいずれを使用しても、AIナレーションによって高品質で滑らか、かつタイミングの合った講義を作成できることです。
これは、時間の節約、品質の維持、そしてコース提供の拡大に最適です。