BGMは、適切なタイミング・適切な目的・教育に合った文脈で使用すれば、次のような効果が期待できます。
- 学習のリズムを安定させる
- 話し中心の講義の「単調さ」を和らげる
- コンテンツの完成度と専門性を高める
しかし、誤ったBGMの選択は次のようなリスクを招く可能性があります。
- 動画がミュートされる、または著作権クレームを受ける
- Webサイトや学習プラットフォーム変更時に再利用できない
- 受講者の集中力を妨げ、早期離脱につながる
本記事では、次の実務的な疑問に答えます。
講義動画で無料かつ合法的に使用でき、
さらにプラットフォーム(Webサイト・LMS・学習サービス)に制限されないBGMの入手先はどこか?
「無料BGM」とは実際に何を意味するのか
「free background music」と検索すると、多くの人が次のように誤解します。
無料=自由に使ってよい
しかし実際には、動画用の無料音楽は主に以下のいずれかに該当します。
- 無料だがライセンス条件付き
- 個人利用・非商用のみ無料
- 無料だがクレジット表記が必須
- 無料だが特定のプラットフォーム内のみ使用可
講義動画、特にオンライン講座や有料教育コンテンツの場合は、
自社サイトや学習プラットフォームに掲載する場合でも、商用利用とみなすべきです。
知っておくべき音楽ライセンスの種類(混同を防ぐために)
以下の4種類を理解しておけば、多くの著作権リスクを回避できます。
1. ロイヤリティフリー(Royalty-Free)
- 再生回数ごとの支払いは不要
- 無料とは限らない
- ライセンス条件により複数プラットフォームで使用可
➡ 正規ライセンスを取得していれば、講義動画で使用可能。
2. クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons)
| 種類 | 有料講座で使用可? | 備考 |
|---|---|---|
| CC0 | ✅ 可 | ほぼパブリックドメイン |
| CC-BY | ⚠️ 可 | 出典表記必須 |
| CC-BY-SA | ⚠️ 注意 | 同一ライセンスで共有必須 |
| CC-BY-NC | ❌ 不可 | 非商用のみ |
| CC-BY-ND | ❌ 不可 | 改変不可 |
👉 有料教育コンテンツでCC-BY-NCを使用してしまうことが最も多いリスクです。
3. パブリックドメイン(Public Domain)
- 著作権保護期間が終了
- プラットフォーム制限なし
- Webサイト、LMS、講座販売サイトで使用可能
➡ 法的に最も安全な選択肢。
4. プラットフォーム限定ミュージックライブラリ
- 特定のプラットフォーム内のみ利用可能
- 例:YouTube Audio Library
➡ 複数の場所で動画を使用する場合には不適切。
複数プラットフォームで使用可能な無料BGM入手先
以下は、長期的に利用でき、プラットフォーム依存が少ない講義動画向け音源です。
1. Pixabay Music
メリット
- 商用利用可
- Webサイト、LMS、有料講座で使用可能
- クレジット表記不要
- インストゥルメンタルやアンビエント系が豊富
デメリット
- トラックごとに品質差がある
- Content IDで誤検出される可能性あり
注意点
- 各トラックページで必ずライセンス確認
- 証拠としてリンクを保存
- 長時間の通しBGMには不向き(イントロ・アウトロ向き)
2. Mixkit Music
https://mixkit.co/free-stock-music
メリット
- 商用利用可
- クレジット不要
- ムードやジャンル別検索が容易
デメリット
- 音源数は多くない
- 30~60分の長時間ループには不向き
Udemy / Ourdemyでの使用時
- 紹介動画や冒頭・終了部分に適している
- 講義本編の通しBGMには不向き
- 音量は極めて低く設定する
3. Musopen(パブリックドメイン/クラシック)
メリット
- パブリックドメイン楽曲が多数
- 正しい録音を選べば商用利用可
- 長期利用に安定
デメリット
- 主にクラシック音楽
- すべてがパブリックドメインではない
注意点
- 各トラックの表示を必ず確認
- 学術系・集中型講義に適する
- 控えめに使用
4. Public Domain Project
https://www.publicdomainproject.org
メリット
- パブリックドメイン中心
- クレジット不要
- 法的に安全
デメリット
- 選択肢が少ない
- 音楽スタイルがやや古い
注意点
- 長期安定利用向き
- 軽いBGMやシンプルなイントロに適する
- ブランド性を強く出したい場合には不向き
5. 動画編集ソフト内蔵の音楽ライブラリ
(例:CapCut、iMovie、Camtasia など)
- 商用利用ライセンスが整理されている場合が多い
- WebサイトやLMSへの公開に利用可
- 初心者にも扱いやすい
➡ ソフト内で制作・書き出した動画内での使用に限定するのが安全。
オンライン講座で使用する際に注意すべき音源
YouTube Audio Library
- 主にYouTube内での使用を想定
- WebサイトやLMSでの使用は保証されない
- クレジット必須の楽曲あり
➡ 有料講座の常設BGMには推奨しない。
TikTok / Instagram Music Library
- プラットフォーム内限定ライセンス
- 講義動画・Webサイト利用不可
➡ オンライン教育には不適切。
Canva Music
- Canva内で制作・書き出した動画に限り有効
- プランにより条件が異なる
➡ 有料講座で使う場合は要確認。
ライセンスが不明確なAI生成音楽
- 法的リスクが高い
- 商用教育利用の法整備が未成熟
➡ 長期講座には推奨しない。
OurdemyではBGM付き動画は著作権チェックされるか
Ourdemyは、YouTubeのContent IDのように、
講義動画内のBGMを自動的に著作権チェックする仕組みはありません。
つまり:
- 自動的にミュートされない
- 音楽検出で削除されない
- 音源の種類をプラットフォーム側が制限しない
ただし、著作権の責任は講師側にあります。
以下の場合はリスクが残ります:
- 商用利用不可の音源
- 他プラットフォーム限定ライセンス
- 元の利用規約違反
➡ 権利者から申し立てがあれば、問題が生じる可能性があります。
安全策としては:
- パブリックドメイン、CC0、商用利用可を優先
- プラットフォーム制限のない音源を選択
- ライセンス情報を保存
まとめ
- 「無料」=どこでも使える、ではない
- パブリックドメインとCC0が最も安定
- オンライン教育では 選択肢の多さより、ライセンスの明確さを優先
そして最後に、講義動画において最も重要なのは:
BGMよりも、コンテンツと講師の声である。