はじめに
チュートリアル動画は、教育、マーケティング、社内研修において、最も効果的なコンテンツ形式の一つとなっています。ソフトウェアの操作解説、オンラインコース、社員のオンボーディング、プロダクトデモンストレーションなど、さまざまな用途で広く利用されています。利用目的にかかわらず、効果的なチュートリアル動画には、内容が明確で分かりやすく、かつ効率的に制作できることが求められます。
一方で、従来の動画制作には、台本作成、撮影、音声収録、編集、ポストプロダクションなど、多くの工程と時間・労力が必要でした。こうした背景から、AIを活用した動画制作ツールは近年急速に進化しており、特に2024年から2025年にかけて導入が大きく進んでいます。
AIの活用により、以下のようなことが可能になっています。
- テキストから直接動画を生成する
- カメラに映らずに動画を制作する
- 制作時間を大幅に短縮する
- コンテンツ制作全体のコストを削減する
Ourdemy においても、チュートリアル動画は重要な役割を担っています。
- 学習者がコース内容をより理解しやすくする
- エンゲージメントやコース修了率を向上させる
- 講師がより効率的にコンテンツを作成できるようにする
本記事では、2025年時点で利用されている主要なAIチュートリアル動画作成ツール5選について、特に Ourdemy上でコースを制作する講師やコンテンツ制作者に適した観点から比較・紹介します。
AIチュートリアル動画ツールの評価基準
客観的かつ分かりやすい比較を行うため、以下の基準に基づいて各ツールを評価します。
- テキストから動画を生成できるか スクリプトやレッスンノートを、映像、構成、トランジション、説明要素を含む完成した動画に変換できるか。
- 音声、字幕、アバター、視覚要素への対応 ナレーション、字幕、AIアバター、視覚的な補助要素をどの程度サポートしているか。
- 非技術者にとっての使いやすさ 専門的な動画編集スキルがなくても操作できる直感的なインターフェースかどうか。
- 短編・長編動画への対応 短い解説動画からフルレングスのレッスン動画まで、品質と構成を維持できるか。
- ビジュアルスタイルの柔軟性 アニメーション、配色、背景、全体のプレゼンテーションスタイルをどの程度カスタマイズできるか。
- コストおよび長期的な拡張性 料金体系、使用制限、トライアルの有無、継続的なコース制作への適合性。
- Ourdemyなどのオンライン学習プラットフォームとの互換性 書き出し形式、字幕対応、レッスン分割などがOurdemyのレッスン構成やページビルダーと適合するか。
これらの基準は、効率性と教育の質のバランスを保ちながら、講師やクリエイターが最適なAIツールを選択する際の指針となります。
1. HeyGen
概要
HeyGenは、テキスト入力からAIアバター、字幕、音声ナレーション付きの動画を作成できるAI動画プラットフォームです。操作性が高く、比較的モダンなビジュアルスタイルを持つことから、個人講師、コンテンツ制作者、小規模チームに適しています。
メリット
- 比較的自然で、企業色の強すぎないAIアバター
- 実在の人物をもとにしたカスタムAIアバターの作成が可能
- 初心者でも扱いやすいテキストから動画への制作フロー
- 多言語に対応
- チュートリアル動画を効率的に量産できる
デメリット
- アニメーションや高度なビジュアル表現の自由度は限定的
- 動画形式は「プレゼンター+スライド」に近いものが中心
- 無料プランの制限が厳しい(月3本まで、各3分、透かし付き)
適した用途
- 解説型のチュートリアル動画
- Ourdemy上の個人向けオンラインコース
- プロダクトの操作説明やSaaSチュートリアル
- 顔出しを避けたい講師や制作者
2. Synthesia
概要
Synthesiaは、法人研修や大規模なeラーニング向けのAI動画作成ツールとして広く利用されています。スクリプトを入力し、AIアバター、音声、背景を選択することで動画を作成できます。
主に、社員研修、オンボーディング、コンプライアンス教育、プロダクトチュートリアルなどに使用されています。
メリット
- 撮影や音声収録が不要
- 安定したリップシンク品質のAIアバター
- 多言語対応
- シンプルな制作フロー
- 複数レッスンやコース全体で一貫したビジュアルを維持できる
デメリット
- 表現形式が比較的固定されている(アバター+スライド)
- 視覚効果やアニメーションの自由度が低い
- 他のツールと比べてコストが高め
- 画面操作を伴う詳細なソフトウェア解説には不向き
適した用途
- 講義形式のオンラインコース
- 社内研修・オンボーディング
- 概念やプロセスを説明する教材
適さないケース
- 実際の操作画面を用いた詳細なデモが必要な場合
- 講師の個性やパーソナルな指導スタイルを重視する場合
3. Runway
概要
Runwayは、テキスト、画像、既存の動画素材から映像を生成できる高度なAI動画プラットフォームです。
プレゼンター中心の形式ではなく、ビジュアル表現、アニメーション、概念的な説明に強みがあります。
メリット
- 高品質なテキスト・画像からの動画生成
- アニメーションやBロールなど視覚的説明に強い
- シーン全体で一貫したビジュアルスタイルを作成可能
- Ourdemy向けの高度なチュートリアル制作に適している
デメリット
- プロンプト設計や操作フローに習熟が必要
- 完全自動ではない
- 見た目が重視され、説明が抽象的になる場合がある
- 無料プランの制限がある
適した用途
- 視覚的説明が重要な高度なチュートリアル
- 技術的・プロダクト中心のトレーニング
- モダンで高品質な映像表現を求める制作者
4. InVideo
概要
InVideoは、スクリプト、ブログ記事、テキストコンテンツをもとに、ストック映像、アニメーションテキスト、音声を組み合わせて動画を生成できるAIツールです。
主に、短いチュートリアル動画や解説コンテンツ、マーケティング用途に適しています。
メリット
- 初心者にも扱いやすいインターフェース
- 豊富なテンプレートとストック素材
- 短時間で動画を作成できる
- 比較的低価格
- Ourdemyのコース紹介動画やモジュール導入動画に適している
デメリット
- ビジュアルスタイルが単調になりやすい
- 長時間・詳細なチュートリアルには不向き
- 講師アバター機能はない
適した用途
- 1〜3分程度の短いチュートリアル
- 基本的な概念の説明
- ブログ記事の動画化
- SNS向けコンテンツ
5. Wondershare Filmora
概要
Filmoraは、AI機能を搭載した動画編集ソフトウェアです。テキストから直接動画を生成するツールではありませんが、画面収録を用いたチュートリアル動画の編集に適しています。
メリット
- 直感的な操作性で学習コストが低い
- AIによる字幕生成、ノイズ除去、シーン検出に対応
- ソフトウェア操作解説や実践型チュートリアルに適している
- 長期利用を前提としたコストパフォーマンスが高い
デメリット
- 事前に録画した映像素材が必要
- テキストから自動生成するツールではない
- 編集作業が必要
適した用途
- ソフトウェアやツールの操作解説
- 実践・ハンズオン形式のレッスン
- 実際の画面を重視した教育コンテンツ
AIチュートリアル動画ツール比較表
| ツール | 使いやすさ | 長編対応 | AIアバター | ビジュアル/アニメーション | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| HeyGen | 高 | 中 | あり | 限定的 | 個人制作者向け |
| Synthesia | 高 | 中 | あり | 限定的 | 法人研修 |
| Runway | 中 | 高 | なし | 高度 | 複雑な教材 |
| InVideo | 高 | 低 | なし | 基本的 | 短尺コンテンツ |
| Filmora | 中 | 高 | なし | 実践重視 | 画面解説 |
まとめ
本記事で紹介した5つのAIツールは、それぞれ異なる強みを持っています。すべての用途に対応できる単一のツールは存在せず、学習目的、コンテンツ形式、制作要件に応じた選択が重要です。
- HeyGen:個人講師やパーソナルコース向け
- Synthesia:法人向け、構造化されたeラーニング向け
- Runway:視覚表現を重視した高度なチュートリアル向け
- InVideo:短時間・大量制作向け
- Filmora:実践的な画面操作解説向け
👉 最終アドバイス: 1つのツールに依存するのではなく、**講義用(HeyGen / Synthesia)+視覚説明(Runway / InVideo)+編集(Filmora)**といった形で複数のAIツールを組み合わせることで、限られたリソースでも高品質なOurdemyコースを制作することが可能です。